天才研究家・やまけんが主宰するプログラム『天プロ』には、個性豊かで多様なおもしろいメンバーがたくさん集まっています。普段は彼らにアート型ビジネスの作り方について教える立場のやまけんが、今日は「生徒の立場=やまけんくん」になって、男を磨くために何かのレッスンを受けるというこの企画。
その名も『やまけんくんのもっといい男になりたくて』。
記念すべきレッスン01の先生は、カワノリちゃんことカワムラノリコさん。レッスンのテーマは、ファッション。ファッションの先生なのに、「やっている仕事の本質は服を選ぶことではない」というカワノリ先生・・・
さて、今日はどんなレッスンになるんでしょう。
やまけんくんは、ちょっとでもいい男になれるのか!?それでは、始まります。
6年間、人にファッションのアドバイスを求めなかった理由
やまけんくん(以下、山):先生、今日はよろしくお願いします!
カワノリ先生(以下、カワ):こちらこそお願いします!
早速なんですが、やまけんくんはなんで私からファッションのことを学ぼうと思ったんですか?
山:(画面みながら)どっかにメモったはず…。あ、ありました。「服と自己を哲学したい」っていうのが今回のテーマです!
カワ:ん?
山:ふくとじこをてつがくし…
カワ:やまけんくん?今日はいつもと立場が逆転して、私が先生ですからね!めんどくさい話はなしですよ?(笑)
山:あ、そうだった。すみません、えーっとちゃんします(笑)
真面目に答えると、カワノリ先生にお願いしようと思った理由はちゃんとあるんですけど、その前に、実はぼく6年ぐらい人からファッションのアドバイスをもらうのを禁止してたんですよ!
カワ:おお、それは何でなんですか?
山:6年以上前は、継続的にファッションにアドバイザーをつけてたときがあるんですね。その頃は数十人の組織をつくっていたので、会社のブランディングの一環として経営者のぼく自身の見た目もしっかり整えた方がいいかなと思って。ぼくの会社のホームページに載ってるこの写真とかがそうです。
カワ:あ〜、今とは全然違いますよね。これはこれでいいですけどね!
山:そうなんです。アドバイスもらってた人もすごく良かったし、服も気に入ってました。ただ、見せ方を整えていく中で、段々と窮屈さを感じるようになっていっちゃったんですね。昔はあった自由が損なわれていく感じがするというか・・・。
カワ:窮屈さというと?
山:これは服だけの問題じゃないんですけど、「組織のトップとして他の人からどう見られてるか」っていう意識が強くなりすぎちゃって。たしかに客観的に見ると、来てる服はぼくが以前自分ひとりで選んでたときよりも似合ってるし評判もいい。でもなんというか、いつも「間違ってないチョイスができてるかな?」みたいな視点でものを選ぶっていうのは、自分の気持ちが置き去りになってる感じがして、それがちょっとした違和感になっていったんですよね。
カワ:うんうん、その感じはすごいわかります!
服を選ぶのは手段。目的は人生の転機をサポートすること
山:だから、一度人からアドバイスをもらうのをストップして。これでいいのかなって多少不安になることがあっても、今は自分の好き嫌いだけで選ぶことが大事かなと思って、自分の主観を回復させました。で、さすがに6年間もやったんで好きなものはハッキリしたんですけど、今年からちょっとずつ外部に露出する機会が増えていくので。
カワ:露出っていうのはセミナーに登壇したり、メディアに出たりってイメージですか?
山:ですです。なので、そこは1回客観的に信頼できるプロの目線を取り入れて、「今後の服の方針」みたいなものを考え直せると嬉しいなと思ってました。ってことでついに6年間の鎖国期間を解禁して、満を辞して・・・
カワ:・・・私ってことなんですかね?(笑)
山:です!今年からちょっとずつ外部の露出を増やしていくので、カワノリ先生にお願いしようと思った理由は、似合う服を選んでくれる一般的なファッションコンサルの人たちとは違って、その人の内面的な個性をマニアックに見れる人だな〜と思ったからです。
カワ:やまけんくん、そんなこと思ってくれてたんですね。
山:はい。(照れて下を向く)
カワ:え〜!嬉しい!!わたし最近やっと自分がやっていることの本質を言葉にできるようになってきたんですけど、私がやってることって、人生において何かしらの転機にある人に、「キャラクターデザイン」という手段をつかって、より「自分を生きる」人生にシフトするためのサポートをしてるってことなのかな〜と。いい言語化だと思いません?
山:(食い気味に)はい!そう思います!(先生が言うことは絶対!)
カワ:あはは!ありがとう(笑)うんうん、やっと生徒らしくなってきましたね(笑)
そういうわけで、私にとって、服を選ぶっていうのは、実は手段でしかなくて。私の立ち位置って、服を選んでいる過程そのものを伴走する、いわばツアーガイドさんみたいな。お客様の反応や過程での変化をみつつ、ガイドしながらその人が持つ唯一無二のキャラクターをデザインしてるんです。
山:じゃあ、今日のレッスンでは先生が、これから露出が増えていくぼくの次のステージにあわせた新しいキャラクターをデザインしてくれるってことですかね?
カワ:はい、バッチリです!でも、私の手にかかったらやまけんくん、どんな感じになっちゃうんだろう?想像しただけでニヤニヤしちゃう・・・。
山:じゃあ、先生よろしくお願いします!ぼくは、勝手に自分の中で「服と自己を哲学」しておきますね。
カワ:はい、それは、やまけんくんの自由にやってください!
カワノリ先生のレッスンスタート!
今回のショッピング先としてカワノリ先生が選んだのは、新宿ルミネ。やまけんくんはこの場所で、カワノリ先生によってどうプロデュースされていくのかー。
さて、突然ですがこんにちは。
今回この記事の執筆を担当する、やまけんくんの助手のシオリーヌです。
そうそう、先にお伝えしておくと、やまけんくんはリアクションが薄めな人。何を言っても、基本的に返答は「なるほど〜」です。今回のショッピングもその例外ではなく、カワノリ先生の提案に対して真顔で「なるほど〜」と言うか、照れてはにかむだけ。
そんなわけで会話としての撮れ高が低めだったので、ここから先はショッピングに同行させてもらった私シオリーヌとカワノリ先生との会話を中心に、ショッピングの様子をお届けすることにします。
やまけんくんが着替えている最中や、店から店に移動するときなどに、私が気になったことをカワノリ先生に質問させてもらったので、「カワノリ先生がどんな思考回路で、服の提案をしていってるのか?」を読者のみなさんにもシェアしようと思います。
それでは早速スタート。
店に着く前からすでに楽しそうなカワノリ先生(笑)。
店に着いたら、カワノリ先生の顔が心なしかキリッとしてお仕事のモードの顔に。
店をぐるっと回りながら、やまけんくんに着せてみたい服を選んでいきます。↓
それを他人事のように遠目で観察するやまけんくん。↑
この表情は、カワノリ先生は着せたいものを見つけたのかな?↓
早速やまけんくんに合わせてみる。
別のを合わせてみる。
「これとかも普通にいいと思うけどね〜」とカワノリ先生。
「なるほど〜」と薄いリアクションのやまけんくん。
「じゃあいくつか着てみましょうかね」とカワノリ先生。
言われるがままに試着室に入っていったやまけんくんが試着室から出てくると・・・↓
「あ〜、やっぱり似合うじゃないですか〜」とテンションあがるも、やまけんくんは(え、そうですか?)と言いたげな表情でどこかぎこちない。「じゃあ、次はこれで」と言われてまた試着室に戻るやまけんくん。そしてまた出てくると
やまけんくんはなぜかこの表情。でも、好きとか、そんなに好きじゃないとかっていうコメントはしないので、本人が頭の中で実際にどう思ってるかはわかりません。
この辺りで、私シオリーヌがカワノリ先生に、「何を意識して、服を選んでるのか?」について、質問してみました。
作り出したい世界観と着ている服にギャップがないか?
シオリーヌ(以下、シオ):今回、どういう服をやまけんくんに着せるのかっていうテーマみたいなのって、カワノリ先生の中で決められてたりするんですか?
カワ:まずは「やまけんくんが自分では選ばないであろう服」を投げてみようってのが大枠のテーマですかね。さらっと流しましたけど、やまけんくんは「服と自己を哲学したい」みたいなこと言ってたじゃないですか。あれは私なりに解釈すると、私に今回期待しているのは「壁打ち」みたいなことなんだろうな〜と思ったんですね。
シオ:へぇー!壁打ちですかぁ。
カワ:つまり、「問い」を投げかけることに意味があるってことなのかなぁと。じゃあ、やまけんくんが普段自分でも選ぶような服を提案しても、問いにはならないですよね。
シオ:たしかに!問いを投げかけるっていう視点は、やまけんくん好きそうですよね。ちなみに、今やまけんくんが着てたセットアップはどうでしたか?
カワ:う〜ん、似合ってはいるんですけど、今回のテーマとはちょっと違うかな〜という感じもあって。
今回やまけんくんには「色や柄」を着せたいなって思ったんですよね。やまけんくんは今『天プロ』とか天才研究といった活動を通して「個性あふれるカラフルな世界」を作りたいって言ってるじゃないですか。
シオ:うんうん!それはやまけんくんのビジョンですよね。
カワ:そう。なんだけど、やまけんくんが普段着ているものは無彩色の白と黒が中心じゃない?それだと作りたい世界観と着ている服が与える印象とのギャップがあるなと思って。だから今回は個性を表現するためにも、「色や柄」を入れたいっていうのがテーマとしてあってね。
シオ:おもしろい!そんなことまで考えるんですね。
カワ:ふふふ。こう見えて実はね、ちゃんと考えてるの(笑)
カワ:その上でイベント登壇とか考えると、ジャケットとかフォーマル系のアイテムに、今まで来ていない「色」を取り入れてみたらどうかと思って着てみてもらったんだけど・・・
シオ:・・・カワノリ先生的に、しっくり来てない感じです?
カワ:う〜ん、なんとなくね。
ちょっと待ってね、私言語化にちょっと時間がかかるタイプだから・・・
(ちょっと間があって)
カワ:なんていうのかな、これからのやまけんくんのキャラクターデザイン的には、もっと「懐の深さ」とか「温かさ」「奥行き」「やわらかさ」が外側にきても面白いんじゃないかなーと思ってて。今のセットアップは色の感じはいいんだけど、ジャケットっていうアイテムだとこれから出していきたい「やわらかさ」がうまく出せないな〜って。
シオ:はぁー!やわらかさ!
カワ:だから、今回着てみてもらってジャケットぐらいフォーマルな服は提案から外そうって思った感じですね。
シオ:なるほど!そういう風に大きなテーマから新しいキャラクターに合った色とかアイテムとかを絞り込んでいくんですね!すごい・・・。聞いてて、私がカワノリさんのコンサルを受けたくなってきちゃいました(笑)。
カワ:ふふ。シオリーヌちゃんもいつでもどうぞ〜(笑)。
という感じで、同行ショッピングはその後1時間半ぐらい続きました。
カワノリ先生は本当にこの仕事が好きなんだろうなーと見てて思うぐらい、終始楽しそう。やまけんくんは「まな板の上の鯉」状態で、着させられるままに・・・
「シャツはインして、袖をこうやって折るといいんですよ」という先生。「そうなのか」という表情で見るやまけんくん。↓
「いいじゃないですか〜!」という先生に対して、意味不明な表情のやまけんくん。↓
またいいのを見つけてしまったカワノリ先生。↓
「これとかもいいんじゃないですか?」と先生に言われたけど↓
新しい感じの服が恥ずかしいのかなかなか試着室から出てこないやまけんくん。
最後にやまけんくんは先生に何かを諭されているよう見えるけど、果たしてーーー。
ということで、3軒の店を回った後に「買ってもいいかなって思ったのはありました?」って質問するカワノリ先生。リアクションが薄かったやまけんくんは意外なことに、「今日は勧められたものは全部買って着てみようかなと思ってますよ」と。
カワノリ先生も「え、そうなんですか?」とびっくりしていましたが、3店舗それぞれの店で先生のチョイスした服を買い物をして帰りました。
ということで、本日のレッスンは終了!さて、やまけんくんは何の服を買ったのかーー。
レッスンを受けたやまけんくんの感想は?
果たして、色と柄を取り入れた「やわらかさ」を外に出したニューやまけんくんは、これからどんファッションを取り入れることになるのか?
またそこからやまけんくんは何かを学び取り、自分なりに哲学をすることができたのか?
後日お二人に、レッスンの感想を聞いてみました。
シオ:今回のレッスンはどうでしたか?
山:楽しかったですよ。ランドセルに背負われてる小学1年生みたいな気分でしたけど。
シオ:あはは(笑)。たしかに、終始きょどきょどしてはずかしそうでしたもんね。買った中で、もう人前で来てみた服はありますか?
山:ありますよ。これです。↓
シオ:おー!いいじゃないですか!(これがカワノリ先生が言ってた「やわらかさ」かぁ!)着てみてどうでした?
山:うーん、なんかまだ慣れないけど良かったんじゃないですかねぇ。とりあえず、ぼく個人のテーマだった「服と自己を哲学する」はできました(笑)。今回のテーマは、「女性性の外部化」ってことだったのかなーと。カワノリ先生の意図はわからないですけど、ぼくはそう受け取りました。ぼくって男性性と女性性のバランスがいいタイプだっていう自覚はあったんですけど、女性性の方は外見として外には出てなかったんですよね。なので、それを外見でも伝わるようにするのはすごい新鮮でした。それ以外も着たことがないカーディガンの肌触りから別の問いが立ったり、とにかくこの2〜3週間で服と自分についていろいろと考えました。それがすごいありがたく、楽しかったです!
シオ:それは良かったです!またぜひやまけんくんがどんなことを考えたのか、『やまけんの変なメルマガ』で書いてほしいです!やまけんくん、第一弾お疲れ様でした!
カワノリ先生の感想は?
シオ:カワノリ先生、今回のレッスンはどうでしたか?先にやまけんくんに感想を聞いたら、「女性性の外部化」がテーマだったのかなって勝手に哲学してましたが(笑)。
カワ:へ〜さすが。おもしろい表現ですね!私としては、やまけんくんに先生って立場で、いろんな服を自由に着させられるなんて機会はなかなかないので、ただただ楽しかったです。あとは、やまけんくんが早速セミナー登壇に、チョイスした服を着て行ってたじゃないですか?人前で話してる写真を見て、やっぱり、外側にやわらかさを持ってきた方が、やまけんくんの内側の強さとか知性、キレみたいなのが生きるんじゃないかなっていう私の今回のキャラクターデザインは割とうまくハマったんじゃないかなーと思って嬉しかったです。
シオ:ですよね!私も写真を見て、新しい感じのやまけんくんすごくいいなぁと思いました。
カワ:だよね〜。これまでのやまけんくんだったら絶対に選ばないような「柄と色」を取り入れた割と攻めた提案だったので、やまけんくんが慣れるまではもうちょっと時間がかかるかもしれないですが、服がきっかけでどういう風に現実が変わっていくかを今後もウォッチさせてもらおうかなぁと思ってます。
シオ:はい、楽しみですね!カワノリ先生、今回は本当にありがとうございましたー!!
編集後記
今回、写真でお見せした水色カーディガンや花柄シャツ以外にも、先生の言う「やまけんくんのやわらかさ、奥行き、深み」みたいなのを表現するアイテムをいくつも提案してくれて、実はすべて購入済み。
先生にみえていたやまけんくんのキャラクターデザインが、今後どう表出していくのか・・楽しみです^^
さて、次回レッスンでは、毎度長文芸でお馴染みのやまけんくんが「作詞」に挑戦!?次もまた面白い先生が登場してくれます。
ではでは、レッスン02でお会いしましょう〜!
先生プロフィール
先生:カワノリ/ワーママのためのイメージコンサルタント
新卒から17年間、国内大手化粧品メーカーに勤務。2019年より「ワーママのためのキレイとおしゃれの駆け込み寺(通称:おしゃ駆け寺)の尼さん」として副業を開始し、現在は独立。手強い系双子の女の子(小学2年生)のママ。
アート型ビジネス構築のため天プロに入るも、ビジネス以前にパートナーシップや親子関係など土台を整える期間を経て、自身も大きな転換期を経験。
理論(服装心理学®︎・体型診断・パーソナルカラー診断など)をベースに、ファッションコンサルの枠を超えて内面外面の両面をデザインする「人生の転換期のキャラクターデザイン」を提唱。今後は、ママのみならず人生の転機をサポートしてほしい人に向けてサービスを展開予定。
※服装心理学は(社)日本服装心理学協会の著作物です
◆プロフィール・サービス詳細はこちら
https://kawanori.com/profile_new_230324/
生徒:やまけんくん
日々、ほとんど人に会うことなく、自宅の書斎にこもっていろんな天才たちの研究に明け暮れる天才研究家。またあるときは、アート型ビジネスを完成させたい人が集まる実践の場として「天プロ」なるプログラムを主宰する敏腕プロデューサー。彼の周りにはユニークなサービスやプロダクトを持つ人が集まる。口癖は、「なるほど〜」。
取材・文:シオリーヌ(仮)
助手。ライター。おもしろい先生たちのぶっとんだ話を、どれだけ鮮度を損なわず、かつ、噛み砕いて届けられるかに命をかける。人や物に宿るこだわりやその背景を知ることが大好きです。共感能力が高すぎるのが最近の悩み。凡人の感覚そのままに、授業に切り込んでいけるようがんばりまっす!
天才研究家やまけん(山田研太)が「アート型ビジネスの考え方と実践方法 」や「最新の天才研究事例」などについて不定期で書いているメルマガです。
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