この記事は、ぼくのメルマガのバックナンバーです。メルマガでは、「最新の天才研究についてや、ぼくがプロデュースを手がけるアート型ビジネスの最新事例など」について書いています。他にはない独特な長文芸にある種の中毒性があるとかないとか、噂されるそんな不普通のとはちょっと違った『変なメルマガ』です。メルマガはこちらから無料で登録できます。
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【以下転記】2023/3/7のバックナンバー
※全4シリーズのVol.4 完結編です。
まだVol.1~3を読んでないって人はこちらからどうぞ↓
Vol.1「【事例】人生で一度も「楽しい」と感じたことがない男の物語」
Vol.2「クララが立った」
Vol.3「なぜ、人生で初めて「楽しい」という感情が湧いてきたのか?」
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こんにちは、やまけんです。
相変わらず最近は朝型生活になっておりまして、今朝は6時半に起きました。起きてすぐに、マズローの『人間性の心理学』という最近ハマっている名著をゆっくり読んでました。真面目か!
朝型に切り替わったのは、寝る前の悪習慣を、良い習慣に衣替えしたからであります。ベッドに入ってからスマホで映画を見ながらスマホでゲームをするという一画面二刀流システムを駆使して日中のストレスを解消しながら3時ぐらいに寝落ちするという悪習をやめ、代わりに、すぐに眠たくなりそうな小説を読むことにしました。一昨日に村上春樹の『羊たちをめぐる冒険』を読み終え、昨日から村上つながりで、村上龍の『コインロッカーベイビーズ』を読み始めました。おかげで、読み始めて10分ぐらいで眠くなり、読書灯を消して即入眠いたしました。なんて健康的!
さて、好評だったぺーさんのシリーズ、第2章に突入する前に(ちょっと間休んでからにする説もありますが)、今日は、ぼく視点での解説記事を書きたいと思います。小説風はあれはあれで書いてていい気分になれるんですが、慣れてない分時間がかかる。それに対して、論理的な解説だとすんなり書けちゃうんですよねー。なので、今日は休憩がてら、「人が自分の個性を取り戻せるようになるために、天プロでの関わりでぼくが意識していること」について書こうと思います。
ちなみに余談ですが、ぺーさんの正しい苗字は、北山ではなく北川です。シリーズのメルマガの1通目を見た天プロメンバー何人かに、「やまけんさん、北川になってますよ!」って言われたんですけど、ぼくのしょーもない意図に気づいてくれた人はいるんだろうか。ぺーさんの由来は、「北」を「ペー」って読むことです。じゃあ「山」は?「さん」です。よって、北山はキタヤマではなく、「ぺーさん」だったのです。笑 小説風だから苗字を変えたくなったけど、ちょっと遊びたかったから北山と書いてぺーさんと読むことにした。ハイ、現場からは以上です。
まずね、これまでのメルマガを読んでて、自分に近いところがあるかもって感じた人っていると思うんですね。さすがに、人生で「楽しい」って一度も感じたことがないって人は多くはないと思うんですけど、「●●ちゃんの、本当にやりたいことって何かある?」って聞かれたら、うーーーん…って困っちゃう人。
でね、意外に思われるかもしれないんですけど、言いますよ?自分がやりたいことがわからない人って、実は「家族や友人のことをとっても大事にしている人」が結構多いんですね。人に喜んでもらうことが基本的にすごく好きで、自分の家族には当然いつも幸せでいてほしい。逆に、身近な人が怒ったり、傷ついたりする姿を見たくない。「人の喜びが自分の喜び」っていう感じで、これまで生きてきたと。
このタイプは、良い意味で言うと、人のことを大事にしているんですけど、この状態を別の視点から表現すると、「人を中心に生きている」っていうことになるわけですね。軸が自分ではなく、人にある状態。軸が人にあるから日常的に無意識的に頭の中で考えることは、「相手に何をしたら喜んでもらえるかな?」「どうやったら波風を立てずにすむかな?」「こんなことを言ったら相手が傷ついたり、自分のことをウザいと思っちゃったりしないかな?」「こんな自分(の一面や本性)を知ったら、相手はどう思うだろう?」みたいな感じです。人を中心に生きていると、(本人が無自覚だったとしても)心の奥に不安があることが多い。だって人が中心な人にとって、その人から失望されたり、阻害されることは当然怖い。貯金が減るのと同じぐらい、本能的には恐怖を感じるかもしれない。昔々は、群れから追放されることは人間にとって死を意味したのでその名残です。だから人からどう思われるのかが不安になるっていうのは、いたってナチュラルなことだと思うんですよね。
普段はいいんですよ。好きな人と一緒にいると楽しくて満たされた気持ちになる。ただ、何かのきっかけで、相手との間で摩擦が起きる(または起きているように感じる言動を相手がした)と、不安で不安でしかたがなくなります。このときに、とる行動の種類は人によって全然違いますけど、基本は不安を解消することにほとんどの意識的なエネルギーが持っていかれちゃうんですね。つまり、自分がやりたいことが何かなんて考えてる余裕がない。それを考えるエネルギーが体に残ってないことになります。
さて、じゃあ、そんな人にどんなことを意識した関わりをしているか?って言うと、「ここは、これまでの人生の中で経験してきたいろんな場所とは違う」と感じてもらうこと。より具体的に言うと、
- できないことがいっぱいあっても怒られたり、馬鹿にされたりしない
- できないことをできないと普通に言ってる人たちがいっぱいいる
- 成果(たとえば売上)を上げたからって褒められるわけではなく、逆に成果を上げてなかったからって批判されるわけじゃない
- 参加してるメンバーはある程度好き勝手に自由に振る舞っていて、これをやったら怒られるとか、これをやったら空気が読めないやつと思われるみたいな暗黙のルールがあまり見当たらない
- 何かのイベントがあるときに、出たい人だけ出て出たくない人は出てない。各自の自由意思に任されている
- おもしろくない自分の話をなぜかおもしろがってくれる人がいる
みたいなこと、ちょっとずつ感じ取ってもらえるようにしています。はじめは、「何この自由さw」「いやいや、そんなことある?」みたいな感じで、一般的な世の中の当たり前が全然当たり前じゃなかったりするので、カルチャーショックを感じたりすることもありますが、恐る恐る観察していって時間が経つと、「こういう世界観もあるんだ」っていう風に感じてもらえるようになるんですね。
ぺーさんもそうでしたが、人は最初はルールがあった方が安心しやすいんですね。安心は予測を可能にする明確さからもたらされるので。だから、「何でもありだよ、各自自由にしていいよ」ってなった方が逆に、最初は不安になる。でも時間が経っていくことで「なんでも自由にしていい」っていうのが本当にそうだって確信できてると、そっちの方が安心度ははるかに高まります。人からジャッジされることで、嫌われたり馬鹿にされたり除け者にされることが、一番の不安や恐れの原因になるので、ジャッジされない(厳密にはジャッジされることが世の中一般における人間関係と比べて相当少ない)って思える人間関係ができると、人生においての安心感がすごく増します。
じゃあ、場への安心ができ、人からどう思われるかについて心配しなくてよくなると次に何が起こるかというと、本人が他の場では出すことがなかった言動が出るようになります。これが「個性」なんですね。ここで初めて抑制されてた本人の個性が、にょろっと他の人にも見える形で顔を出します。今まではちょっとでもリスクを感じると、そういう言動は控えてたわけですね。それが出せるようになる。
じゃあ、最初にどんなことができるようになるかって言うと、日常の自分について話せるようになります。ほとんどの人は、この重要性に気づいてないんですけど、これめちゃくちゃ大事なことなんですね。大きなアクシデントがあったら誰でも話しますよ。あとは他の人に役に立つってわかってることだったら割と話せます。人から注目されるような地位や実績がある人は、他の人が話を聞きたいって思って質問してくれるので自分のことを話すことになれてますが、普通の人は家族や気の置けない親友以外の人が複数人集まる場においては、話を聞く側に回ることが多い。内向型だったら特にです。話すとしても当たり障りのないことについて話すっていうのが一般的です。
でも、これだと個性は、本人の中に隠されたまんまです。あーもったいない。自分が聞く側に慣れてる人は、「自分が話すことなんて人は興味を持たないに違いない」「自分の話なんてつまらない」っていう前提を持ってしまっていることも多い。ひいては、「自分はつまらない人間だ」って思ってしまってるんですね。この状態では、自分の個性を解放して生きることはできないし、個性をもろに反映させて作るアート型ビジネスは形にしようがない。
だからぼくがやっているのは、「ジャッジが限りなく少ない場」を作ることで、その人が人間関係につきまとう不安を抱かなくていいようにする。これまでは他の人との人間関係に関する心配に使って大量消費していたエネルギーを、そのまま自分が本当に大切にしたいことや自分がやりたいことを探るのに使えるようにしていくんですね。
天プロでは、ぼくはみんなとほんとにいろんな話をします。話をするっていうか、日常的なことをいっぱい聞きます。最近あった小さなこととかね。他の人には伝わらないだろうけど個人的に嬉しかったこととかテンションがあがった発見とか。逆にモヤモヤしていることや、他の人にむかついたことでもなんでも。で、ぼくがみんなに何かを教えるでもなく(そういうことは一方的な講義の機会を使って十分できてるので)、日常的にいろんな聞くし、それに対して自分が何か感じたことがあれば話す。その繰り返しをやっていると、その人の個性が見えてくるんですよ。「へ〜それおもしろいやん!」ってことが。なんで今までそれ言わなかったの???みたいな宝が眠ってることも多々あります。
ぼくは、天プロ1期のときから、BARやまけんっていうzoom飲みや、いろんな場所で一緒にゆるく飲んだり遊んだりしなら、いろんなことを話してきました。だから、それが積み重なって、自分が最近感じてることを話すことや、相手のことをより知れることを聞くっていうのがぼくに限らず多くのメンバーにとっての当たり前になり、ぼくがいなくてもそういう場になる。フラットでゆるくて時に濃い「対話の文化」として醸成されてるんですね。だから、慣れてくると、誰もが多かれ少なかれ、自分の話を(他の場所でよりは)いっぱい話せるようになっていきます。
ぺーさんも、ジャッジされない文化、自分の悩みや話をおもしろがって真剣に聞いてくれる人たちとの出会い、安心して素の自分を出せる人間関係。これらの天プロの中で体験している要素がフリとして機能していった結果として、1つの落ちるべき落とし所(オチ)として、アート合宿で楽しいを感じられた。ワークを通してグループメンバーとの深い心のつながりを感じられたと思います。
なので、結論を再度わかりやすくまとめると、人が自分の個性を解放できるようになるために大事なこと、それを生み出している要素を順序的に並べてみると
- どんなことを言っても出してもいいと思える場を作る
- その場ではこれまで出せなかった素の自分を(ちょっとずつ徐々に)出せるようになっていく
- 素の自分を出した交流と対話を重ねることによって、より安心感が持てる安定感がきわめて高い人間関係ができる
- それによってさらに自分のことを出せるようになり、自己信頼が高まる
- 自分が出した個性に対して、それおもしろい!とか私も!って言ってくれるみたいなフィードバックが得られることによって、抑圧されてた個性が承認される
- これを重ねていくと、自分からは距離が遠めで安定感が低い人間関係への重要度・依存度が下がってくる。つまり、遠めの人たちからは、別に変に思われたり嫌われたってまあいっか、と思えるようになる
- こうなってくると人間関係の心配事に使われるエネルギー漏れが最小化されていく
- 今まで不安そのものや不安の解消に使ってたエネルギーをより自分の人生において建設的なことに使えるようになる
- そうすると日常のストレスが減り、疲れにくくなるから、自分がやりたいことをやろうっていう活力が湧いてくる
という好循環が生まれるようになります。
その起点は、「どんなことを言っても出してもいいと思える場」を作る努力をすることです。ぼくの個性を引き出すプロデュースは、この安心して自然体でいられるコミュニティーの文化の上に成り立っているということですね。
というのが、ぺーさんに起こった奇跡が、起こる確率をあげるためにぼくが常日頃やかやっていた、下ごしらえです。というのが本日の解説でございました。
もし、あなたが自分の個性を発揮できてないことや、本当にやりたいことが見つからないことで悩んでいるのは、まずやるべきことは、安心して素を出せるきわめて安定度の高い満たされた人間関係を作ることです。それによって人間関係にまつわる不安に使っていたエネルギーを限りなくゼロにもっていくこと。これがまず最初にやるべきことなので、それをわかった上で今やれることをやっていってみてくださいね。
では、今日はここまで。
これにて完結!前の記事はこちらよりどうぞ↓
<全4シリーズ>
【事例】人生で一度も「楽しい」と感じたことがない男の物語
Vol.1「【事例】人生で一度も「楽しい」と感じたことがない男の物語」
Vol.2「クララが立った」
Vol.3「なぜ、人生で初めて「楽しい」という感情が湧いてきたのか?」
Vol.4「【解説】人の個性を解放するためにぼくがやっているたったひとつこと」←本記事
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