この記事は、ぼくのメルマガのバックナンバーです。メルマガでは、「最新の天才研究についてや、ぼくがプロデュースを手がけるアート型ビジネスの最新事例など」について書いています。他にはない独特な長文芸にある種の中毒性があるとかないとか、噂されるそんな不普通のとはちょっと違った『変なメルマガ』です。メルマガはこちらから無料で登録できます。
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【以下転記】2023/2/28のバックナンバー
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こんばんは、やまけんです。
これまで人生で一度も「楽しい」というということを感じたことがない。ビジネスはうまくいってる。自分が働かなくても家族を養っていくのには十分な収入が毎月入ってくる仕組みを数年かけて作り上げた。自分ではそう思っているわけではないが、人からはFIRE(※経済的自立と早期退職の意味)してますねと言われることもある。なのに・・・
今日は人生で心から楽しいと感じた記憶が、たったの一度もないというある一人の男が、人生で初めて自分だけの楽しみを見出していくまでの1年弱の物語。
こんなはずじゃなかったのにーーー
デュアルモニターのPCの前に座って、自分がオーナーとして経営している店舗の広告の管理画面を見、投資に関連している株価の動きをチェックし、コンサルティングしているクライアントからくる相談に対して返信を書くといった、毎日のルーティンになっている一連の作業をほぼ無意識的にこなしていきながら、男はそう感じていた。
何かを学んで1つ1つ淡々と実行に移していくのは昔から得意な方だった。その特性を活かし、独立したときからいろんな学びに投資をし、この人のやり方が一番いいと思った経営スタイルの人を見つけてからは、その人のやり方を徹底的にモデリングして、今のオーナー型の店舗経営スタイルを作り上げた。業種は、治療院。院を出す前には、自分が学んだ然るべき方法でリサーチを行い、定石通り、その地域の周りの治療院と被らない専門特化した強みも設定した。いわゆるポジショニングと言われるものだ。おかげで設計した通りに、治療院は軌道に乗り、めちゃくちゃ繁盛しているというわけではないが、自分がまったく現場に出なかったとしても(最初からオーナー型の経営でいくと決めていたのでその店舗の現場には一度も立ったことがない)店舗の収支は余裕をもった黒字になり、そこからの収入だけでも苦なく生活していけるようになった。
男の名は、北山。内向的で繊細で、慎重で計画的で、よく気を遣えるタイプの、人一倍責任感が強い男だ。だから、家族を何不自由なく養っていくことや、スタッフの雇用を守り続けることに対して一切不安を抱かなくてもいいように、着実さと安定度を重視してビジネスを構築してきた。
最初から何もかもがうまくいっていたわけではない。人並みに苦労することもあったが、やるべき行動を積み上げていけば、家族やスタッフ、そしてお客さんがみんな幸せで喜んでくれる明るい未来が待っていると思っていた。
ただ、この1、2年、ふとした瞬間に「あれ、自分ってこのままでいんだっけ?」と考えるようになった。心の奥で何かが引っかっている。気がする。どこかで何か問題が起きているのか?慎重な北山は、実際に自分を取り巻く環境について立ち止まって考えてみる。でも、考えれば考えるほど、引っかかるべきことなんて何もないのだ。子供たちは愛情を持って育てた分すくすくと育ってくれ、ビジネスもコロナ禍で窮地に追い込まれている店舗もたくさんあるのに、自分の店はなんとかなっている。
ずっと思い描いて努力してきた未来が手に入ってるじゃないか。
これ以上おれは何を望むっていうんだ。おれが人生で求めているものは他に何があるっていうんだ?
考えても答えは出てこない。というか、今で十分だろ。過去と比べてみろ。不安やストレスが昔に比べると随分少なくなったじゃないか。自分の頭が自分に投げ返してくる返答によって、やっぱり気のせいだったのかと心を落ち着かせる。そんなことが最初は年に何度かあったが、最近はもやっとする回数が以前より増えてきてる気がする。
そんなときに、ふと参加してみようかなと思ったのが、2022年の1月18日に開催された『アート型ビジネスの最新事例&理論をもう全部シェアしちゃうよ会』というzoomで参加できるイベントだった。やまけんさんという人が主宰している3時間ぐらいのセミナーで、天プロ4期の説明会も兼ねているらしい。
正直最近まで天プロというものにはそこまで興味はなかった。メルマガを読んでその存在だけは知っているけど、中で具体的にどんなことをやっているのかは知らなかったし、どっちにしろ自分には関係ないものだろうと思っていた。自分が「アート」なんてものとは、真反対の世界で生きている人間だということだけは、慎重な性格の自分でも断言できるぐらい自信があったからだ。ただ、最近のメルマガで紹介される事例をいくつか読んでるうちに、何かうっすらとだが、心に引っかかることがあった。
むしろこれは、今の自分に必要なんじゃないか。
そう直感して、珍しく思考の判断ではなく自分の感覚に従って、試しにセミナーに申し込んでみたのだ。そして、3時間のセミナーを聴き終わるころには、「もし自分にも熱狂できるものが見つかるのであれば見つけたい」という気持ちが高まっていた。アンケートにあった「天プロ4期にエントリーされますか?」という設問に対して、プルダウンの選択肢の中から「エントリーする」を選んでいた。そして、エントリー動機の書く項目には、今回のセミナーを聞いてわかった自分の現在地に対して率直に書いた。
独立して10年、「自分がやりたい」と思ったことを仕事にしてきましたが、1度も「楽しい」「やっててよかった」と思ったことがありませんでした。常に追い詰められた感覚があり、多少結果が出ても満たされる感じはありませんでした。
今回お話をお聞きして、自分がやってきたことは「やれること・得意なこと」であり、やりたいことではなかったのだと気付かされました。人に喜ばれることが自分の生きがい、と思っていたのですが、喜ばれるために結果を出す必要がある、という気持ちが邪魔をしているのかもしれません。
「お金を抜きにして何をやりたいか」の問いがありましたが、答えることができませんでした。その問いの答えを仕事にしてきたつもりだったので。
自分の執着を見つけ、やりたいこと、喜びが何なのかを再度見つめ直したい、これが得たいことであり、参加したい理由です。
あとは、ヤマケンさんが作ったコミュニティであれば、人見知りの自分でも大丈夫そうだな、と思ったのも理由です。そういうのって貴重だなと思ってます。
ここから、1年経たずして、北山の人生は大きく変わることになる。
- なぜ、自分はこれまで人生一度も「楽しい」と感じたことがなかったのか?
- 自分が人生において、本当に求めているものは何だったのか?
- どうすれば「自分が見たいとわかった世界」を、本当に現実にすることができるのか?そのために勇気を出して一歩を踏み出すべきこととは?
ウイスキーのロックに使うバーテンダーによって丸く削られた、握り拳より少し小さいぐらいの氷が、グラスの中に入れられたまま常温で放置されるとちょっとずつ解けて水になっていくように、北山の心の奥底にあったもやもやの謎も、時間をかけてゆっくりとひとつひとつ解けていった。
そしてーーー
今日は、北山という男の目線から見た物語。明日は・・・
追伸、
小説なんて書いたことがないから、一人称とか三人称とかの使い方とか、基本的なルールはなーーーんもわかっとらんのですが、なんか普通に事例紹介ばっかりしちゃうと効率的だけど、自分的におもしろくなくなってきちゃうので、今日は思いつきで小説風で書いてみることにしました(ちなみに、概ね事実に基づいてると思いますが、本人に書いてることが合ってるかはチェックしてもらってないので、限りなくノンフィクションよりの一応フィクションっていう位置づけです)。
本当は今日で全文書く予定だったけど、なんか最近「長いメルマガがいっぱい届くとほんとに楽しみにしてて読みたくてもたまっちゃって読めないんですよ・・・」って言われたので、今日は途中で終わってみることにした。
全体の構成なんてものは決まってないからね。明日は明日の気分で書く。明日気分が乗らなかったら明後日以降に書く。自由が一番ね。うん。
続きはこちらよりどうぞ↓
<全4シリーズ>
【事例】人生で一度も「楽しい」と感じたことがない男の物語
Vol.1「【事例】人生で一度も「楽しい」と感じたことがない男の物語」←本記事
Vol.2「クララが立った」
Vol.3「なぜ、人生で初めて「楽しい」という感情が湧いてきたのか?」
Vol.4「【解説】人の個性を解放するためにぼくがやっているたったひとつこと」
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